2012年6月30日土曜日

睡蓮

ある寺院の裏の小さな池です。黄色い睡蓮の花が杉林を背景とした、少し暗いその空間で
淡い光を点じている様なそんな印象でした。睡蓮はハスに似た花が夕方には閉じる様子を
「睡る蓮」に見立ててその名が付いたそうです。別名をヒツジグサ。本来は日本に自生する
小型の睡蓮の事ですが総称として用いる事がある様です。


ニコンD700 24-120mm f8 オートISO800

2012年6月29日金曜日

水芭蕉

水芭蕉と云えば誰もが尾瀬を想い浮かべるほど、尾瀬の水芭蕉は有名で、私も一度だけ、花の
時季に訪れて、あの大群落と燧ケ岳を背景とした景観に感動した事を覚えています。本来なら本
州中部以北の高山の湿原や、開けた林間の湿地などに自生し、多くは群生しているのですが、
山陰地方でも小規模ながら咲いている所があります。その花は小さな池にひっそりとありました。


ニコンD700 24-120mm f8 オート ISO800

2012年6月28日木曜日

山路にて

南アルプスの北岳に向かう途中の林道で出合いました。水木の花です。樹液が多くて
春先に枝を折ると水が滴り落ちる所からこの名前が付いたそうです。花の密度はもっと
高いのですが、出合ったときは盛りを過ぎてまばらになっていました。細かい雨に濡れて
滴が光る姿は、忘れがたい山路の風景でした。


コンタックスAX 85mmF1.4 f4 オート フジクロームベルビア

2012年6月27日水曜日

頂の鹿

厳島の鹿は太古から、人間より先に生息していたと想われますが、歴史時代に入ると奈良の
春日大社の神鹿(しんろく)思想の影響を受けて、神の使いとして大切にされました。鹿を害する
事を避けるために島内では犬を飼わず、外から犬が入り込むと島民が捕まえて対岸に放したそう
です。厳島は旧石器時代から人が住んでいた痕跡があるにもかかわらず、原生林が残されている
稀有な存在であり、神の島と云うのも頷けます。巌に立つ鹿は何を想っているのでしょうか。


ニコンD800 24-120mm f5.6 オート ISO400

2012年6月26日火曜日

厳島

厳島は島そのものが神であり、さらに祭神が女神であることから戦前までは非常に厳しい
禁忌事項がありました。死人が出ると即座に対岸に葬り、遺族は喪が明けるまで島に帰れ
ない。現在でも墓地はありません。島の女性は出産が近付くと対岸に渡り、産後100日は島
には帰れない。鉄の農具を土に立てる事を忌避して耕作の禁止、機織りの禁止、伐採の禁止
様々な禁忌のため、島には日本古来の自然の姿がよく残されたと言えます。


ニコンD800 24-120mm f8 オート ISO400

2012年6月25日月曜日

大鳥居

私は厳島神社を数回訪れていますが、残念ながら水の中の厳島神社を見た事がありません。
厳島神社は水没を想定した数々の工夫が施されている事はよく知られています。創建は佐伯氏、
次に平清盛、後に焼失。北条氏により現在の姿に。戦国期は社勢が衰えるが毛利元就の厳島
合戦の勝利で毛利氏の崇敬を受け、再び隆盛になり、以後代々の庇護を受けて現在に至る。
大鳥居の周辺で神の使いの鹿が戯れ、巫女が散策していました。

コンタックスRTSⅢ 180mm f5.6 オート フジクロームベルビア


2012年6月24日日曜日

弥山

厳島は全島が花崗岩です。弥山に登るとそれがよく解ります。現在の様に登山道が整備され
たのは明治時代後期で、初代内閣総理大臣伊藤博文が「厳島の真価は弥山からの眺望に有
リ」と絶賛した所から一般道が整備されました。弥山には弘法大師の伝説もありますが物証は
なく、弘法大師が讃岐の佐伯氏の出身である事から出た伝説であろうと推察されます。


ニコンD800 24-120mm f8 オート ISO400

2012年6月23日土曜日

胎内くぐり

厳島は島全体が聖地として崇められていたようで、対岸に遥拝所が建ち、後に推古天皇元年
(593年)に石鎚山に関係のある原始修験者である佐伯鞍職(くらもと)によって、厳島神社が
創建されたと伝えられています。祭神は市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)で厳島の名の
由来となっています。また、厳島神社縁起では素戔男命(すさのおのみこと)の娘である宗像
三女神の市杵島姫命、遄津姫命(たぎつひめのみこと)、田心姫命(たごりひめのみこと)が神
鴉に導かれて鎮座したという「神の斎(いつ)く島」の意もあリます。弥山は険しい岩の山であり、
修験道の要素が色濃く認められます。弥山に登ると漂う空気が違う様な気がしました。

ニコンD800 24-120mm f5.6 オート ISO400

2012年6月22日金曜日

お供え泥

厳島の主峰、弥山(535m)の頂上付近に、厳島神社別当であった大聖院の弥山本堂が
あります。その直下の岩窟に仏たちが鎮座していました。いつもは厳島神社周辺にたむろ
している鹿が、こんな所まで遠征している事に驚きました。想えば鹿は神様の使い。お供え
物を食べるのは当然の権利なのでしょう。


ニコンD800 24-120mm f8 オート ISO 400




2012年6月21日木曜日

オシドリ

上高地の田代池で出合った鴛鴦のつがいです。山陰地方では冬鳥で、季語も冬になって
いますが、本来は留鳥で山間の渓流や山地の湖などで生息しています。北海道では夏鳥
です。つがいで行動して、常に離れない所から「おしどり夫婦」「鴛鴦の契」などの言葉が生
まれた事はあまりにも有名です。シャッター速度が遅かったので雌がブレテしまいました。


コンタックスAX 180mmF2.8 f2.8 オート フジクロームベルビア

2012年6月20日水曜日

あやめ

あやめは陸の花、花菖蒲は水陸両用、かきつばたは水の中、山が一番似合うのは陸の花
あやめです。山歩きの途中でよく出会います。花の基部に黄色と紫の網目模様があって、こ
のあみめがあやめの語源だそうです。



コンタックスRTSⅢ 25mm f5.6 オート フジクロームベルビア

2012年6月19日火曜日

ノアザミ

薊の花は春の季語になっていますが、私たちが山でよく見掛け印象に残っているのは夏から
秋にかけてであり、有名なあざみの歌もイメージは秋です。春の野に早咲きのノアザミが目立
つ事から春の季語なったのでしょう。ちなみに晩秋の花である森アザミの根は太く長いので、
出雲の三瓶牛蒡、美濃の菊牛蒡などの漬物になっています。和名の薊は総称です。


ニコンF6 80-400mm f5.6 オート フジクロームベルビア

2012年6月18日月曜日

トンビ

先日、浜田漁港を訪ねる機会がありました。午前中でも少し遅かったので競りは終わりかけて
いました。上を見るとたくさんのトンビが舞ったり、そこかしこに止まっていたりして、よくぞ、これ
だけ集まったものだと感心してしまいました。業者の方々も慣れておられるのか気にされる方は
おられませんでした。トンビもスズメと同じで人との関わりの中で生活している様です。


ニコンD700 28-120mm f8 オート ISO800

2012年6月17日日曜日

ミツマタ

ミツマタの花は下向きに咲いている事が多いのですが、強い逆光で下から覗くと美しい姿が
浮かび上がります。ミツマタはコウゾと共に和紙の原料として紙幣に使用されるのよく知られ
ています。ミツマタが和紙の原料として登場するのは16世紀になってからだとされているのが
一般的ですが、万葉集に度々登場するミツマタが和紙の原料として知られていない筈がない
とする説もあります。遅れましたがこの花も春を告げる花の一つです。


コンタックスAX マクロプラナー100mm f2.8 オート フジクロームベルビア

2012年6月16日土曜日

山法師

山に行くとこの時期良く見掛けます。果実が甘くて美味である事から庭園樹として植栽
されてもいます。別名ヤマグワ。同属にハナミズキ(アメリカヤマボウシ)があります。
山法師(ヤマボウシ)は高木ですから花の時期は遠目にも目立ち、山の季節の移ろいを感じ
させてくれる花の一つです。


ニコンD700 マイクロニッコール105mm f2.8 ISO800

2012年6月15日金曜日

ハッチョウトンボ

ハッチョウトンボの雄です。体長2cm、世界でも最小の部類に属するトンボです。
ミズゴケなどがある様な湿地にのみ生息していて、開発や環境汚染によって急速に
生息数が減少しています。活動範囲が狭いことも影響しているようです。たまたま、
ねじ花に止まっている所を見付けました。いかにも小さい。


コンタックスAX マクロプラナー100mm f2.8 フジクロームベルビア

2012年6月14日木曜日

おとめゆり

乙女百合。別名を姫小百合というそうです。日本特産で宮城県南部と新潟、山形、福島県に接
する飯豊連峰、守門岳、吾妻山周辺だけに群生する貴重な花です。レッドリストで絶滅危惧種に
指定されています。百合の花で桃色は珍しく導入種としての利用価値は高いそうです。花言葉は
飾らぬ美、私の心の姿。普通の百合より一回り小さくてとても可愛い花です。


ニコンF6 80-400mm f5.6 オート フジクロームベルビア


2012年6月13日水曜日

テンナンショウ

漢字で書くと天南星、本来は蝮草(マムシグサ)と表記する方が正しいかもしれません。
開けた林の中でよく見掛ける花です。花の形で嫌がる人が多いのですが、これでもれっ
きとした漢方薬です。緑色が美しい花で仏の花のような印象もあります。


ニコンF6 80-400mm f5.6 オート フジクロームベルビア

2012年6月12日火曜日

バラの花びらが寄せてくる波の様に見えました。私は元々、園芸品種はあまり好きではあり
ません。野の花、特に高山植物の様に厳しい環境の中で、懸命に咲いている花に魅せられ
るのですが、このバラだけは例外です。古くから観賞用として栽培され、品種改良によって、
多数の品種が作られ。また、淘汰されていった長い歴史によって生み出された花には、歴史
の重みに裏打ちされた品格を感じます。


ニコンD700 マイクロニッコール105mm f2.8 オート ISO800

2012年6月11日月曜日

螺旋

野生の花でも地域によって多少形が違いますが、これがバラとなると無数と言っていいほどの
形の違い、顔があるのは人々がいかにバラを好んだかの証しでしょう。私は単純な形が好みな
ので数あるバラの顔の中でも、この様な螺旋状の花を、特に雨の日に撮影するのが好きです。


ニコンD800 マイクロニッコール105mm f4 オート ISO400


2012年6月10日日曜日

出雲大社参道

出雲大社の鳥居を潜って石畳の坂道を下ったところで振り返ってみた風景です。普段は
駐車場から直接、本殿に向かうので出会う事のない風景です。知っているつもりでも歩か
なければ知る事の出来ない風景がある事を今更ながら気付きました。余談ですが、ニコン
D800の被写界深度はとても深いのです。24-120mmF3.5-5.6 110mm f5.6で撮影、手
前から奥まで殆どピントが合っているのです。驚きました。

ニコンD800 24-120mm f5.6 オート ISO800

2012年6月9日土曜日

奥津渓谷

渓流や滝を撮影する場合、私たちは曇天か小雨の日を選びます。木漏れ日の光が斑模様に
なって、奥深い山の渓流の持つ静けさを壊してしまうからです。この日は小雨だったのですが
突然、大降りになってしまい撮影に苦労しました。


コンタックスN1 24-85mm f8 オート フジクロームベルビア

2012年6月8日金曜日

ドクダミ

ドクダミという呼び名と独特の臭気から人々にあまり良い印象を持たれていない花なのですが、
平安時代の昔からその薬効は知られており、人々に重宝された薬草の筆頭に挙げられる愛す
べき花なのです。花を含む全草を乾燥してお茶やせんじ薬として利用するのが一般的なのです
が、生の葉には抗菌作用があって貼り薬としても利用されます。ドクダミは、毒を矯めるという意
から付けられた名称です。ちなみに黄色い部分が花で白い部分は苞葉です。


ニコンD700 マイクロニッコール105mm f2.8 オート ISO800

2012年6月7日木曜日

ポピー

虞美人草と呼ぶ方がこの花にはふさわしい様な気がします。虞美人とは古代中国の薄幸の佳人
虞姫(ぐき)の事です。深紅の薄い花びらが風に揺れる様子は、戦場に散った虞姫を想わせて儚さ
を感じます。



コンタックスAX 180mmF2.8 2倍テレコン f2.8 オート フジクロームベルビア

2012年6月6日水曜日

卯の花

船上山の千丈滝を訪れた時に出会ったのがこのうつぎの花でした。歌の通り、もう夏が来て
いたんだなとあらためて思いました。船上山は隠岐を脱出した後醍醐天皇を戴いた、伯耆の
豪族、名和長年が幕府方の佐々木清方と激しい戦いをした古戦場として有名です。この花は
正式にはタニウツギと言うようで別名、死人花という地方もあるそうです。


ニコンD700 24-120mm f8 オート ISO800

2012年6月5日火曜日

紫陽花の里

安来市清瀬町だったと想いますが、個人でこの様に見事な紫陽花の風景を造られた方がおら
れます。よほどの根気とそれ以上に花が好きでなければ出来る事ではないでしょう。ただただ、
頭が下がるばかりです。感謝!



ニコンD700 24-120mm f8 オート ISO800


2012年6月4日月曜日

ちょこんと

紫陽花の花に生まれて間もない子ガエルがちょこんと乗っていました。なんの警戒心も
無いようでボーっとして、遠くを見つめるようなしぐさを続けていました。カワイイ!




ニコンD700 マイクロ105mm2倍テレコン 開放 オート ISO800

2012年6月3日日曜日

深山

数百メートルしかない木谷沢渓流のほぼ最終点です。本来の木谷沢はこんな
に暗いイメージではありませんが、私自身の性格なのか、時々このような写真
が撮れてしまう事があります。小さな滝の真ん中がこちらを見つめる片目と大き
く開いた口のように見えませんか。木谷沢渓流は魅力にあふれた渓流でした。


ニコンF6 24-120mm f16 オート フジクロームベルビア

2012年6月2日土曜日

雨にぬれて

この写真も木谷沢渓流です。山懐に抱かれてひっそりと咲く山紫陽花、聞こえるのは流れる
水の音と鳥の声。深い山の中だからこそ味わえる、ゆったりと流れる時間です。




コンタックスAX 85mmF1.4 f5.6 オート フジクロームベルビア

2012年6月1日金曜日

いつか元の姿に木谷沢渓流

あまり多くはないのですが木谷沢渓流は山紫陽花の名所でもありました。車道から
直ぐの所に在りながら、一歩踏み入れば深山幽谷の雰囲気が手軽に味わえる誠に
有難い存在でした。豊かな緑と清流、ポツリポツリと咲く山紫陽花。私たちにとっては
掛け替えのない存在でした。いつか元の姿に戻ってほしいと願わずにはおれません。



コンタックスAX 35mmF1.4 f11 オート フジクロームベルビア